東京都大田区で産業用ロボット、医療、半導体関連機器、OA機器など幅広い分野のゴム製品の単納期制作を行う 株式会社ハタダ.

高い技術力と社内情報セキュリティー体制で高品質な精密ゴム部品を生産されている同社にスーパーカッター導入についてお話を伺った。

株式会社ハタダ. 代表取締役の畑田芳則氏


 — 御社の歴史についてお聞かせください。

横浜ゴム株式会社のタイヤの配合技術に勤めていた設立者が1955年に独立して有限会社 畑田ゴム工業所として立ち上げました。自社で配合を行える強みを活かし、高付加価値を追求した生産を強化し続けてきました。

— ボーイング787 に「ウインドシェード」を納めるようになった経緯を教えてください。

ボーイング787機の特徴として、窓ガラスが電気シェードになっており、スライド式でないことから窓枠を一回り大きくできるメリットがあります。しかし、1号機がシアトルから羽田空港に運ばれた時点で電気シェードが壊れていました。そこで、ゴムシートを使って遮光することができないか?という理由で当社に声がかかり、厚み1㎜で遮光できるシリコーンシート「ウィンドシェード」を開発しました。現在、国内外の多くのエアラインに販売されています。
航空機関連製品の販売実績から、自動車メーカーや精密機械メーカーからの問い合わせが増え、増収増益に繋がる好循環を生んでいます。

株式会社ハタダ.で販売している「ウィンドシェード」

— 御社が荻野精機の機械を導入した経緯を教えてください。

1995年にスーパーカッター(A2-600:シヤリング機)を購入しており、私が入社した頃には当たり前のように使用していました。新機導入前は、ゴム硬度40度以下や80度以上のゴム、厚み30㎜などの分厚いゴムが切れずに困っていました。

機械を買い替えようと話が出た際、購入先に悩むことなく御社へ問い合わせをしました。荻野精機 本社でのテストカットの際、機械を試そうと思い硬度90度・厚み30㎜のゴムを持参しました。

流石に切れないだろうと思っていましたが、難なくスパスパと切断する様子に一目惚れし、「この機械が欲しい」と強く思いました。

株式会社ハタダ.で活躍する荻野精機の切断機

— 弊社の機械に関するご感想をお聞かせください。

旧機械で悩んでいた粘度のある柔らかいゴム、硬いゴム、分厚いゴムを難なく切断してくれます。タッチパネル式の機械に変えましたが、機械式の旧機械を長年使用していたため手動運転の出番が多く、高い機械性能をまだまだ使いこなせていないと感じています。

これから様々な機能に触れながら、行く行くは機械性能を100%活かした生産体制を確立していきたいと考えています。

— 今後の展望はどのようにお考えですか?

既に始めていますが、顧客との共同開発に取り組んでいます。最近でいえば、バネ×ゴムによって、高減衰ダンパーの製作に成功しました。

当社は、70年に及ぶゴムづくりのノウハウと、金型設計から製品作りまでを一気通貫で行える生産体制により、リードタイムが約1週間と、通常1ヶ月以上かかる工程を大幅に短縮できるという強みを持っています。

試作開発系のお客様の引き合いが多く、複雑形状であったり、大型かつ寸法公差の厳しいもの、特殊なゴム材料の製品や、異素材との接着など付帯機能を持たせたものを中心に製造しております。

これらの経験を活かし、今後も多くの共同開発を成功させていきたいと考えています。