2022/06/17
緊急地震速報チャイムを聞いた時に「不安」や「怖い」と感じたことはありませんか?
先日、防災行政無線を使用した緊急地震速報の訓練放送が行われていました。
緊急地震速報チャイムは人を不安にさせ、危機感を持たせるようによく作られている
と改めて感じたので、どのように制作されたのか調べてみました。
チャイム音は「不安感を与えない」ように制作されていた
JAS Journal にて制作者の伊福部 達(いふくべ とおる)氏は
作ったチャイム音は「緊急性は感じさせるが不安感は与えない」ということで自信を持っていたこと、横揺れであるS波が到達する前に人々に知らせるための緊急地震速報チャイムである
と話しています。
縦揺れを検出した数秒後には横揺れが発生するため、短いメロディーで緊急であることを知らせる必要があったようです。
出典: 緊急地震速報チャイムの誕生秘話
私はチャイムを聞いた時に、「悲しい音」や「緊張する」という印象を持ちます。
中には「怖い」と感じる人もいます。
ここで“制作者の意図”と“聞いた時に私たちが感じる印象”の間にズレが生じていることがわかりました。
なぜ不安に感じるのか?
メロディーにマイナーキーが使用されていることが原因の一つでは?と思い
調べたところ、怖いと感じるメロディーの作り方を見つけました。
条件は下記の通りです。
- 早いテンポ
- 短いフレーズの繰り返し
- キーが短い間隔で変化する
- 悲しい雰囲気(短調/マイナーキー)
これらを満たすと人が「不安」や「怖い」と感じる音楽が作れるようです。
不安を感じる理由は、メロディーだけが原因ではないと思います。
チャイムが流れる状況(環境)も関係していると私は考えます。
地震発生時の心理的要因
自然災害が多い国に住んでいるとは言え、大地震が発生すると不安になるものです。
それは心理的に、強い揺れに直面すると交感神経系が過剰に高ぶってしまい、「怖い」と感じる強い揺れに注意が集中してしまうため、苦痛(ストレス)を感じます。
チャイムは大地震(震度5弱)発生時に流れます。
しかし、震度5弱以下の地震が起きた際、チャイムが鳴らなくとも私たちは「不安」や「怖い」と感じます。
大地震を経験した際、不安な気持ちが続いたことを覚えています。
経験上、チャイムを聞くとまたあの時と同じ事態、あるいはもっと過酷な事態を想像してしまうために「不安」や「怖い」と感じるのではないでしょうか。
ですが、チャイムは恐怖心を煽る音ではありません。
いち早く私たちに命の危険を知らせてくれる音です。
また、今までもチャイムによって助かった命は多くあるのではないかと思います。
これからも、緊急地震速報チャイムは危険を知らせてくれるでしょうし、訓練放送を耳にした私たちは「不安」や「怖い」と感じ続けるのだと思います。
私は動画制作の際、選曲時は長調(明るい音楽)を選曲するようにしています。
個人的に明るい音楽が好みということもありますが、耳に入る情報(音)で感情が左右されると考えています。
「明るい」や「穏やか」な気持ちでご視聴いただきたいという思いで選曲しています。
ぜひ、荻野精機のYouTubeを覗いてみてください!
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Writer mochi